痛みの少ない
無痛分娩

無痛分娩は陣痛時の痛みを軽減し、体力を温存しながら出産する方法の一つです。
当院では硬膜外麻酔を用いた無痛分娩に対応しています。

無痛分娩とは

麻酔を使って出産時の痛みを和らげる出産方法です。感覚を全くなくすのではなく痛みを和らげながら出産することができます。

  • 陣痛に対する不安や恐怖心が強い方
  • 落ち着いた出産をご希望の方
  • 産後の体力回復や子育てに心配のある方
  • 前回出産時の陣痛の痛みがトラウマになっている方

上記のような内容に当てはまる方は無痛分娩をおすすめしています。

安全な無痛分娩のために

最近の無痛分娩の事故に関する報道で、無痛分娩はとても怖いものだという印象をお持ちになる方もいると思います。麻酔の直後に急変した症例のほとんどは、局所麻酔薬が“くも膜下腔に入ったことによる全脊髄くも膜下麻酔”か“血管内に直接入ったことによる局所麻酔中毒”であると思われます。 ベルネットでは、薬を少量ずつ投与しながら意識状態、血圧、麻酔の効き具合を細かく観察することを、マニュアルで徹底することによって、事故を未然に防止するよう努めています。

情報公開について

無痛分娩の診療実績

(2023年1月1日~2023年12月31日)

全分娩件数   382件

無痛分娩件数  62件

帝王切開分娩件数 75件

無痛分娩の標準的な方法

硬膜外麻酔による無痛分娩

分娩に関連した急変時の体制

無痛分娩の安全な提供体制構築のため、「無痛分娩マニュアル」「無痛分娩看護マニュアル」、
さらに「重大合併症マニュアル」を作成し、標準的な実施方法と急変時に関して勉強会を実施しています。

危機対応シミュレーションの実施

年1回実施しています。

無痛分娩に関する人員体制

【無痛分娩麻酔管理者・麻酔担当医】

院長 加藤 誠
医学博士、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、新生児蘇生法【専門】コースインストラクター、周生期医療支援機構ALSOインストラクター、周生期医療支援機構BLSOプロバイダー、日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)インストラクター、周産期初期診療トレーニングコース(ピーシーキューブ)インストラクター
麻酔科研修歴 有 

【助産師・看護師】

NCPR資格を有し、新生児に適切な医療を提供します。
アドバンス助産師資格を有します。
JMELSベーシックコース(日本母体救命システム)受講を勧めています。

当院は日本産婦人科医会偶発事例報告・妊産婦死亡報告事業に参画しています。

※更新日 2024年4月1日

当院の無痛分娩の特長

麻酔科専門医による
管理体制

麻酔科専門医による管理のもと、無痛分娩に関わる
スタッフの手技指導をおこなっております。
緊急時の対応にも万全の管理体制を整えております。

痛みを調節し、
しっかりと「いきんで」出産できます!

全身麻酔ではなく、下半身麻酔だけの局所麻酔ですので、
ママの意識ははっきりしています。
痛みや努責感を完全に消してしまうと分娩も止まってしまいますので、
無痛分娩といっても、全くの無痛になるわけではなく痛みを調節し、
落ち着いていきんで出産することができます。

ママへの負担を
軽減します!

ママによっては陣痛の痛みが過度の負担になることがあります。
痛みを軽減することで、ママの体と心が楽になります。

疲れにくく、
回復が早いです!

長い時間を要する出産でも、痛みが少ないため、
ママの体力を長時間維持でき、産後の回復も早くなります。

赤ちゃんへのお薬の影響は
ほとんどありません!

全身麻酔とは違い部分麻酔のため、
ママの麻酔薬の血中濃度は非常に低く、
赤ちゃんへの麻酔薬の影響はほとんどありません。

費用は分娩料金に
プラス10万円です!

※その他、入院日数や分娩時間等によって、
加算されることがあります。

無痛分娩の流れ

開始時期

陣痛が規則的に、本格的に始まってから(分娩第1期で陣痛間隔が5分程度、子宮口が3~5㎝開大した頃)実施します。

分娩時

  • ・子宮口が全開になるまでは横向きになって待ちます。麻酔が偏らないように1時間ごとに体の向きを変えます。
  • ・全開になったら上を向き、助産師の指導に従って呼吸を整え、いきみます。いきみ方は普通のお産と全く一緒です。
  • ・裂傷など縫合時も、多少痛みは楽になりますが、局所麻酔の追加が必要な場合があります。
    • 硬膜外麻酔法

      • ・麻酔開始前は原則的に絶食になりますので、点滴をします。
      • ・分娩台の上で横向きになり、背中を丸めます。
      • ・腰部を消毒してカテーテルを入れる部分に局所麻酔をします。
      • ・カテーテルを入れるための硬膜外針を挿入します。これは痛くありません。
      • ・カテーテルが留置できたら硬膜外針を抜きます。
      • ・テストの局所麻酔を注入し、3分くらい異常がないか様子をみます。
      • ・異常がなければ、まず一定量の麻酔薬を注入します。
      • ・その後は輸液ポンプによって分娩終了まで持続的に麻酔薬を注入します。薬の効き方によって注入量を適時調整します。

無痛分娩の注意点

痛みが軽減するほど陣痛も弱くなりますので、お産の平均時間が長くなります。したがって最終的に吸引分娩や鉗子分娩と なる頻度や、子宮収縮薬の使用頻度が高くなります。帝王切開になる率は変わりません。また麻酔薬による赤ちゃんへの直接の影響はありませんが、分娩時間が長引くことによる赤ちゃんへの負担が生じることもあります。

以下の場合は無痛分娩ができない(または途中で中止する)ことがあります。

  • ・赤ちゃんの元気がないとわかっている場合(または途中でわかった場合)
  • ・前期破水や発熱状態など感染の疑いがある場合
  • ・お母さんの体力の消耗や脱水がひどい場合
  • ・検査の結果、血小板が少ないなど出血しやすいと思われる場合
  • ・一部の心疾患(大動脈弁狭窄症、肥大型心筋症)がある場合
  • ・すでに子宮口が全開して分娩が進行している場合
  • ・もともと腰痛がひどい場合(悪化がありえます)
  • ・太りすぎや腰骨が曲がっているなどによりカテーテルが挿入できない場合
  • ・合併症などを十分に理解せず、事前に承諾書を提出して頂けない場合
また麻酔を実施することによる、以下のお母さんへの合併症が起こりえます。 一時的なものでは、低血圧、頭痛、腰痛、吐き気、尿の感覚がわかりにくい、足が重く感じる、どちらか一方の足に異常感覚が生じる(響く、痛い)、重大なものでは、頻度は非常に低いですが、神経損傷、圧迫による麻痺などの後遺症、薬が脊髄腔に入ったり、血中濃度が上がって麻酔薬中毒(耳鳴り、意識が朦朧とする、痙攣、ショック、呼吸停止を起こす)になる場合があり、この場合は緊急処置をし、場合によっては帝王切開が必要となることがあります。
※上記以外の場合でも、お産の状況や時間帯によっては、ご希望に添えない場合がございます。
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